2023年12月に障がい者雇用に関する『支援ポリシー』を公開したことでも注目されている株式会社マネーフォワード。適切な評価・昇給を実現するためにインクルーシブ制度を設けるなど、入社後の方へ向けた誠実な取り組みが印象的です。 今回は、障がい者雇用との向き合い方や今後の展望について、採用・定着支援担当の皆さまにお話を伺ってきました。

――本日は、人材紹介サービスをご利用いただいた採用担当の北島様・深澤様の２名からお話を伺います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、御社の事業などについてお伺いしてもよろしいでしょうか。

北島さん：

株式会社マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をMissionに掲げ、 法人や個人を含め、すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供している会社です。法人向けには、バックオフィス業務や経理・確定申告などの効率化につながるクラウド型ソフトなどを、個人向けにはお金の見える化や家計改善をするためのサービスなどを提供しています。

2012年の創業から11年経過し、提供するサービスは50を超えております。そして今後も「すべての人、の『お金のプラットフォーム』となる」ことを目標に、国内外でのさらなる事業拡大を目指しています。

――御社における『障がい者雇用』の状況や方向性を教えていただけますか？

深澤さん：

以前から取り組んできた障がい者雇用ですが、『障がい者雇用』における「働く」「支援」のあり方を話し合い、『支援ポリシー』として2023年12月に社内外にメッセージとして発信しました。

私たちは「働く」ことを“個人の成長”と“社会貢献”を叶える機会だと考えています。「キャリア形成」をはじめとして、皆さんが働く中で成長の過程をサポートさせていただきますので、ご自身の人生そして社会を前へ進めていただきたいです。

当社の社風は、社員の多様性を尊重することで個々の能力を最大限に発揮してもらうために形成されたものではありますが、障がいを持つ方にとっても“働く環境、働く仲間、どちらもバリアフリー”だと感じていただけるのではないかと思っています。

外部リンク：マネーフォワード、障がい者雇用における『支援ポリシー』を公開

――D&Iでは “戦力としての障がい者雇用”の浸透を目指して『定着支援』に力を入れています。入社後の就業環境やサポート体制を教えていただけますか？

北島さん：

会社に愛着を持って長く働いていただくために、定着支援にも力を入れています。入社直後の不安や緊張を解消するためにも入社後1週間程度は毎日のふり返り面談で丁寧にサポートし、以降は定期面談を実施しています。皆さんが活躍できるようにサポートしながら考え方や対応方法を整理し、最終的にはご自身で問題を解決できるようになることを目標としています。

また、障がいのあるメンバーが働きやすい環境づくりとして「入社してから慣れるまでは時短勤務が可能」「出社とリモートワークのハイブリッド勤務を取り入れているポジションがある」など、無理のない働き方も相談できる環境となっています。より働きやすい職場になるように今後もアップデートしていく予定です。

――サポート体制が整っていて安心ですね！「こんな方を採用したい」など、求める人物像などがあればお聞かせください。

深澤さん：

私たちの価値観・目指す世界観に合っていると感じる方は、「入社後の目標がある」「仕事を通して成長したい」など成長意欲のある方です。

IT企業はスキル重視というイメージが強いかもしれませんが、私たちは高いスキルを持った方よりもカルチャーがマッチする方を求めています。

マネーフォワードは共通の価値観・目指したい世界観を『Mission、Vision、Values、Culture』として掲げ、大切にしています。そして、私たちが目指す世界観を実現するために必要になるのが活動の土台となる『Culture』だと考えていますので、共感していただける方だと一緒に進んでいける未来が想像できます。

また、障がい者雇用としては「障がいの内容と自己理解」について詳しくお話を聞いています。入社後、どのようなサポートが必要なのか相談するためにも大切なポイントです。

外部リンク：マネーフォワードのMission、Vision、Values、Culture

――入社後の成長に期待したいということですが、御社のキャリアパスについて詳しく教えていただけますか？

北島さん：

適切なステップでキャリアを描ける『インクルーシブコース』があることで、あらゆる人がステップアップ・キャリアアップを目指せる環境が整っています。

インクルーシブルコースは「一定の配慮は受けながら、できる範囲のことをやり遂げることを目指す方」を対象とした人事制度で、達成しやすいチャレンジを積み重ねた結果が反映される仕組みです。インクルーシブコースから総合職コースへの転換も可能にしたことで、キャリアアップを目指す方のやりがいに繋がっていると感じています。

外部リンク：マネーフォワード「インクルーシブコース」制定の話

――いつもDIエージェントをご利用いただきありがとうございます。実際に利用してみていかがですか？

深澤さん：

<私たちの要望や趣向を理解しながら対応していただけるので、とてもやりやすいです。募集内容の具体的な内容についてアドバイスをいただけたり相談がしやすかったりなど、採用活動に伴走してくれているように感じています。

――ありがとうございます！弊社のサービスご要望があれば教えてください。
北島さん：
現時点でも満足はしていますが、システム面のアップデートに期待しています。例えば、スカウトサービスは人材をピックアップするための条件検索をアップデートしていただけると、より利用しやすくなるかと思います。

また、世間への周知や雇用率アップという意味でも、合同企業説明会などの大きめのイベント開催をすると影響があると思います。入社後のフォローとして医療・地域との仲介サービス、新卒採用のためのキャリアセンターとの仲介サービスなどもぜひお願いしたいです。

また、企業側から人材をスカウトできるサービスはめずらしいですよね。障がい者雇用でスカウトサービスというのはとても魅力的なので、今後も活用させていただきます。

――『障がい者雇用』を進めてきて、現時点で課題に感じていることはありますか？

深澤さん：

『支援ポリシー』にもある「成長を支援する」という意味では、よりキャリアを積める環境整備が必要だと感じています。今後は各事業部に配属するなど、キャリア形成の選択肢をひろげていきたいと考えています。
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また、スキルアップのために社内研修などの制度も整えていきたいですね。

――段階的に行われている障がい者の雇用割合（雇用率）の引き上げにより2026年7月には2.7％となりますが、今後の方向性や展望などを教えていただけますか？

北島さん：

私たちの『障がい者雇用』に対する考えや取り組みなどをもっと多くの方に知ってもらいたい、社会全体に広めていきたいと考えています。将来的には、障がい者雇用に関してのリーディングカンパニーを目指しています。

障がい者雇用のモデルがあれば、雇用促進をする企業が増えて就職先の幅も広がると思いますので、そのためにも制度の見直しやキャリア支援・研修制度・職域開拓などアップデートを続けていきたいと考えています。

――『障がい者雇用』の将来を見据えた取り組みをされていくとのこと、素晴らしいですね！社内への周知などはどのようにされましたか？
深澤さん：

私たちはメンバーの可能性を引き出し、キャリア形成や能力開発などの多様な成長機会をつくることを大切にしています。そのためにも、全社で取り組む重点テーマの一つとして「Talent Forward（社員の可能性をもっと前へ。）」というものを掲げています。

社員の誰しもが成長できる環境づくりに日々取り組んでいるところですが、実際に働いている社員の一人としても社員がお互いを認めて尊重し合う空気を肌で感じていて、国籍や障がいの有無などバックグラウンドが違うメンバー同志がインクルーシブに交流している姿を目の当たりにしています。

また、土台として『Teamwork』や『Respect』といった Cultureが浸透していて、自分と違う人を拒絶しないで理解し合おうという空気がありますので、社内理解は自然と進んでいると考えています。