「定着が最も重要」法定雇用率3%を目指し、企業と当事者両方に寄り添うワクサポを選びました
三菱地所レジデンス株式会社様
人事部 人材開発グループ
井上 和貴 様
基本方針は「定着と戦力化」
――まずは三菱地所レジデンス様が目指す企業戦略や人材活用について教えていただけますか?
井上様:
企業としてSDGsの推進には積極的に取り組んできており、誰もが働きやすい環境を整えていく様々な取り組みをおこなっています。
しかし不動産という業界柄、「実際に現地に足を運んで、自分の目で見て判断していく」ことが多く、全ての配慮や希望を実現するのは難しいですね。
自社のクオリティを保ちながら、先進的な企業様から学ぶといったことを心がけています。
そして、障がい者雇用においては、採用したら終わりではなく「定着し、戦力となっていただきたい」という思いが大前提にあります。
企業の責任として雇用という義務はありますが、それ以前に「一人のメンバーとして迎え入れて、どう活躍していただくか?」を見て採用にあたっています。
上層部から徐々に意識が醸成されてきていること、また何よりご本人たちの頑張りもあり、最初は全員が契約社員からのスタートではありますが、正社員を希望され、登用試験に臨まれた方は全員正社員になっていただいています。
精神障がいをお持ちの方の「長く働きたい」志向性がマッチしている
――障がい者雇用を進められている企業の中でも、精神障がいをお持ちの方の採用に積極的でいらっしゃる印象を受けています。
井上様:
2019年に本社が移転する前の旧オフィスではバリアフリーに対応しきれていなかったという理由があり、そのため精神障がいをお持ちの方の採用が先行していた状況がありました。
また"障がい者"といわれる方のうち精神障がいをお持ちの方が全体の過半数を占めている中で、身体障がいをお持ちの方に偏って他企業も採用に動いている状況だと聞きます。
そのような背景もあってか身体障がいをお持ちの方は売り手市場で転職を重ねやすい傾向があると分かってきました。
実際に面接でお話していても精神障がいをお持ちの方は「ずっとここで頑張っていきたい」という意欲がより強く感じられ、また「長く働いてもらいたい」と考える私たちと目指すべきところがマッチしています。
ならば、私たちとしてはできる限り配慮していこうと考えております。
――これまで多くの採用実績がある中で課題と感じていることはありますか?
井上様:
「一般的な障がいはこうですよ」と知識があっても、いざ現場で働くとなると思わぬことが起きたりもします。そのような時、「これは障がい特性なのか?個性なのか?」と戸惑う場面はありました。
弊社の場合はキャリアを積んでいただく中で異動もありえますので、「環境が変わっても活躍してもらう人材になってもらうには、どうしたらいいだろう?」「どうすればその人の良い個性を引き出していけるのか?」というのは課題ですね。
――素晴らしいご姿勢ですね。具体的な業務において工夫されていることはありますか?
井上様:
トップダウンではなく、受け入れ部署のキャパシティやメンバーの心情も尊重して、人事部として小まめにフォローもしています。
また本人に対しては、業務量が要かと思いますので「大変だったら相談してください」と少しオーバーすぎるくらいに確認はしています。
そして、「定着」が最も重要だという考えのもと、弊社では「定着支援」を必ずお願いしていますね。
他社定着支援から「ワクサポ」へ、切り替えた決め手は報告書
――定着支援はどのようにご活用いただいているでしょうか?
井上様:
本人だけではなく現場で一緒に働く上席も悩みを抱えてしまいがちです。そのような状況に即座に気づいて適切なアドバイスをするのは人事としては難しい……。そうするとやはりプロの力が入っていただくのはありがたいです。
基本的に社員とその上席の両者に面談をしていただいています。報告を受け、もし不調がみられるようでしたら対応している上席に人事部から話を聞きに行って、悩みを共有してもらい、「できることがあれば相談してください」とフォローをしております。
――複数社の定着支援サービスを利用されていますが、弊社の「ワクサポ」はいかがでしたか?
井上様:
これがものすごく良いです!
他社の定着支援も「こういう話をしました」「こんなアドバイスしました」と報告を頂きますが、少し想像がしにくいというか……。
D&Iの報告書は切り口がいくつかあって、「ここから見たら○○、この視点では××」と丁寧に書いてくださっていて、それを読むだけで面談に立ち会っているかのようなイメージが湧きます。私たちとしても「ここまで言って大丈夫なんだ」「この部分は気をつけなきゃいけないな」というフィードバックになり、人事や現場がすべきアクションが具体的にわかります。
――異動があっても「記録として」「ノウハウとして」残る報告書には力を入れています! そして過去には他社の定着支援から「ワクサポ」への切り替えもしていただきました。
井上様:
今回お願いした経緯としては、コロナ禍の影響もあり、なかなか面談の回数を重ねることができないことで、信頼関係がうまく築けず、不健全な状況になったためです。
ワクサポに切り替え、相談をしたところ本人の「まずは対面で話したい」といった希望にも沿っていただき、初回から話しやすいように接していただきました。
報告書や日々の対応から、戦力化を望む弊社にも働いている障がいをお持ちの方にも両方に寄り添ってくださっているなというのが強く伝わってきます。
――ありがとうございます。柔軟な対応は弊社の強みです。
井上様:
すごく助かったのは「助成金」に関してですね。
制度があるのは知ってはいたのですが、「難しい言葉で書かれた制度を読解して、書類を用意して……」と考えると手が回らずにいました。
他社の人材会社さんに相談しても「専門外なので公的機関に問い合わせてください」と断られてしまいました。しかしD&Iではワクサポの統括の方が来て「こうですよ」と手筈を整えてくださいました。
おかげで長らく定着支援を活用してきましたが、今回初めて助成金を申請できそうです(笑)。
――人事担当者のみなさんはお忙しいですし、一人でやるとなるとなかなか骨が折れます。「絶対にやった方が良いですよ!」と迫った甲斐がありました(笑)。
法定雇用率3%を目指し、一歩先へ
それでは今後のご展望がありましたら教えていただけますか?
井上様:
私としては自社の法定雇用率3%達成を目指しています。その水準まで採用が進めば、本来より力を入れていきたかった「定着」にシフトできると考えているからです。
今年度、採用に関しては受け入れ部署の検討と業務切り出しをおこないました。
最初は「ルーティン業務がこの部署にはないです」と断られもしましたが、D&Iの営業担当さんから言われた「障がいを度外視で業務を洗い出してもらう」といったアドバイスが効きました。「もしも語学が得意な人材がいたら?ITに強い人材がいたら?」と幅を広げていくようなヒアリングを各部署に泥臭くおこないました。
そして、現在検討しているのが社内理解の促進ですね。
多くの方にご就業いただいている精神障がいについて管理職がより深い知識を、たとえば「どんなことを不安に思うのか?」「こんな時どうしたらいいのか?」といったことを知ってもらいたいとと思っています。管理職、同僚へと社内理解を深めていくことで、雇用率3%を目指していき、冒頭にお話しした「誰もが働きやすい環境」が作られていくと思っています。そのためにはD&Iさんのご協力が不可欠なので、またぜひ相談させてください。
――オーダーメイドの社内研修も承っておりますので、より広く貴社のダイバーシティ推進のお力になれたら嬉しいです! これからもどうぞよろしくお願いいたします。