半日の開催で5名採用、採用コストは1/10。D&Iのオンライン面接会で全国の働きたい方への雇用創出へ
ランスタッド株式会社様
Human Resources Division Talent Attraction
永原 愛菜 様
※撮影時のみマスクを外しております
※本記事は2021年11月に取材をおこなった当時の内容です
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チャレンジド社員のマネジメントも公募制で
――まずは貴社のD&I(Diversity & Inclusion)に対するお取り組みを教えてください。
ランスタッド株式会社はオランダに本社がある外資系の人材会社です。弊社では経営戦略の柱として「D&I」を組み込んでおり、経営層も含めて全社でコミットをしております。
「D&I」というと一般的には「女性の活躍」や「LGBTQ」と切り分けられて想起されがちではありますが、弊社では一つの分野にフォーカスするのではなく様々な観点から取り組んでいこうとしています。EqualityActJapanやBusiness for Marriage Equalityといった団体への協賛、また社内外への発信にも力を入れています。
――そのように全社的なお取り組みにくわえ、2021年は障害者雇用で大きな動きがあったようですね。
精神・発達障害の方が働く場所として池袋にある事務センターの拠点を持つなどといった取り組みはこれまでもあったのですが、より本腰を入れて障害者雇用の推進がスタートしました。
私自身も2021年3月に社内公募制度を活用して人事本部のチャレンジド採用担当として異動してきました。
弊社のポジション異動の人事制度として、いわゆる「辞令」が下るのではなく原則公募制をとっています。チャレンジド社員*のマネジメントをするポジションも新設し、社内公募をおこなって、メンバーが積極的に手を挙げてくれました。
――意欲的な方が障害をお持ちの方を受け入れる仕組みは素晴らしいですね。
ありがとうございます。
ただ、採用における課題も多くあり……チャレンジド採用のミッションとして夏から年末にかけて二桁程の多くの採用目標人数を掲げていました。
*チャレンジド社員:ランスタッド様では障害者雇用枠で働く方を「チャレンジド社員」と呼んでいます
事前面談で手間も大幅減!他にはないD&Iのオンライン面接会
――7月頃に弊社にご相談をいただき、短期間で採用を実現できる「オンライン面接会」をご提案いたしました。
就労移行支援や人材紹介も利用していましたが、これまで以上に母集団形成をスピード感もっておこなう必要があり、他にも手法が無いか探している時に、D&Iよりオンライン面接会のご提案をいただきました。
オンライン面接会の開催は初めての試みでしたが、D&Iの面接会では低コストで手間をかけずに結果を出せましたね。
――D&Iの面接会のどのような点が良かったと感じましたか?
まず完全オンラインであること。
半日で約20名、全国各地にお住まいの方と面接ができました。結果として5名採用に至っています。
そして参加者は事前にD&Iの方で面談を実施していて本人の志向性や希望条件等が明確になっているのが、弊社の手間が省けたという点では良かったですね。
資料も含めた共有が丁寧だったので限られた面接時間内でも「この部分を重点的に質問しよう」と的を絞った質問ができました。
――コスト面でのご満足度はいかがでしょうか。
採用コストも他社人材紹介と比較するとおよそ1/10に抑えられ、またできたら良いなと思っています。
私たちも限られたメンバーと時間の中でヒーヒー言いながら採用活動を進めていたので(笑)、弊社の求める人材にマッチし関心のある方だけに、半日で多数の方とお会いできたのは時間や人的なコスト面でも本当に助かりました。
――弊社の面接会ではワンストップで集客からクロージングまでお任せいただけるのですが、まず今回の面接会には40名近くの応募がありました。その理由の一つが「フルリモート可能」の募集だったことにあると考えています。
面接の中で「コロナ禍で外出を避けたい」「地方でなかなか働く場所がない」といったお声も実際に聞かれ、完全在宅のニーズを私たちも実感しました。
職種によってはシフト制のため通院の際には働く時間を相談していただくこともできます。結果として「仕事上における障害配慮は不要」といった方がほとんどでした。
――地方在住のお住まいの優秀な方に多く応募いただけたのではないでしょうか。
今回の募集職種の一つは「コーディネーター職」という就労希望の求職者様に希望条件を電話で伺いお仕事を紹介して入社に繋げる、弊社の人材サービスの肝となる大切な職種です。また、自分で数字もキチンと追いかけてもらうという側面も持っています。
「障害者雇用枠の仕事はルーティン作業でないといけないのかな?」という思い込みが当初はあったのですが、このような営業職に近しく臨機応変な対応が必要となる仕事も需要があったのだと、弊社としても可能性の広がりを実感しました。
共に働くことで多様性の考え方が広まってきた
――障害者雇用に注力し始めて1年弱、会社内での良い変化などはありましたか?
これまでは、派遣スタッフさんの労務管理をおこなっている「首都圏集中プロセスセンター」を中心に事務職での採用を実施していました。
しかし、今回募集をした「コーディネーター職」は新たな部署・職種での採用となり、これまでチャレンジド社員と関りの無かった方々との関りが生まれ、ポジティブな意見も聞かれました。
「テレビやネットで見聞きして情報として知っている」だけではなく、様々な方が身近に居る中で実際の関わりを通して多様性の考え方が会社内に広まってきたのではないかなと感じていますね。
――では最後に、これから貴社で取り組まれたいことを教えてください。
今後も完全在宅勤務での雇用も継続しつつ、新しいポジションも検討し続けていきたいです。
たとえばですが、コンサルタントの営業活動の生産性を上げるために、企業リサーチをおこなうようなポジションがあればいいなと。
コンサルタントの営業活動の質と量が上がり、売り上げに貢献していければ、会社としてもよりプラスになるのではないかなと考えています。