障がい者雇用歴20年のベテランが選んだD&Iのシステム「障がいのある方の育成を考えたとき、エンカククラウド一択でした」
株式会社島津製作所様
人事部(京都本社) 境 浩史 様
人事部(東京支社) 横山 泰久 様
人事部(京都本社) 加藤 真也 様
※撮影時のみマスクを外しております
※本記事は2022年9月取材時の内容です
利用サービス:在宅雇用導入支援
関連キーワード:#定着 #育成 #eラーニング
突然の雇い入れ計画、試行錯誤を重ねた20年間
――まずはこれまでの障がい者雇用のお取組みについて、どのようなことをされていたか教えていただけますか?
境様:
弊社の障がい者雇用における転機は2002年でした。まずは人事制度の大改革、そして弊社社員の田中耕一のノーベル賞受賞です。
また、ほとんど同時期に予告なしに「障がい者の雇入れ計画」作成の命令が出ました。
前々から障がい者雇用には取り組まなければならないと分かってはいました。自社の社会的責任や注目度も増す中、これを契機に「担当者を置いて障がい者雇用を推進していこう」となり、私が抜擢されたのです。
当時は分からないながらも、何度もハローワークに呼び出され、足を運び、なんとか2年以内に計画が達成できました。
それ以来は継続的に達成もできるようになったのですが、いざ私が担当を離れると再び法定雇用率を下回ってしまったこともあり……「障がい者雇用は属人化しがち」という課題を痛感しましたね。
横山様:
その当時、私のいた営業拠点で身体障がい者が活躍していたことが非常に記憶に残っています。
そこで良い事例を作れたこともあり、障がい者雇用が社内に広がっていきました。
一方、障がいのある社員と共に働くといっても現場の人間としては右も左も分からず……。
「身体障がい者だと思って採用したら実は精神障がい・発達障がいも抱えていた」
「これは持ち前の性格なのか? 障がい特性なのか?」
「本人だけでなく周りの社員も疲弊してしまった……どうしよう」
そんなことに日々頭を悩ませていました。
境様:
2000年代初頭は「発達障がい」という概念も広まっていない中、色々と知識不足で苦労もしましたね。
横山様:
そうですね(笑)。 周りの社員への啓もうも必要だと感じましたね。
私も境も今では「産業カウンセラー」資格を取得し、企業在籍型ジョブコーチや生活相談員として知識と実践を深めてきました。
――リアルなお話をありがとうございます。今やお話ししていてもこちらが勉強させていただくくらいの障がい者雇用の知識をお持ちですよね。これまでの必死の努力があったのだと思います。
「まずは人事部で人を育ててから」空いた時間にスキルアップできるものはないか
――それでは今回D&Iの障がい者雇用管理・定着支援ツール「エンカククラウド」(※1)を検討いただいたきっかけや課題はなんだったでしょうか?
境様:
大きく2つの課題がありました。
まずはキャリアパスと育成についてです。
障がい者枠で入社した方には、「まずは有期雇用でお互い無理のない働き方をすり合わせていき、数年後には試験を受けて無期雇用の正社員化」といったコースが用意されています。
しかし、その間をフォローする教育の仕組みがないのですね。
つまり現場でスキルを身につけるか、元々のスキルを伸ばしてもらうかしか道はありませんでした。
「それだけではいけない」ということで、最近になって「まずは人事部で人を育ててから、各現場に配属にしよう」と方針を転換しました。
そうはいっても人事部がずっと横について教育ができるわけではありません。
もう一つはコロナなどの有事の対応です。
コロナ禍ではどうしても在宅勤務の必要に迫られることもありました。
様々な条件や規定によって、急な在宅勤務が発生した時に障がいのある社員に「依頼できる仕事がない」という事態が発生しました。
かといって「家でずっと本を読んでいてね」という訳にもいきません。
今後もまだまだ何が起こるかは分かりません。そういった空いた時間を有効活用して、スキルアップができるような方法を探していました。
ちょうどそのタイミングでご提案いただいたのが障がいのある社員の戦力化を謡う「エンカククラウド」だったのです。
心身の体調管理システムだけではなく、弊社でも使っているMicrosoft系のeラーニングコンテンツも充実しており、導入へ走りました。
横山様:
私は別のツールであるメンタルヘルス・体調管理システムも使用していましたが、「エンカククラウド」はそれにくわえて「教育」機能が追加されているという第一印象でしたね。
実は私は特定非営利活動法人わかくさ福祉会でも就労支援事業の一部に関わっています。
エンカクをすでに導入している同法人の就労移行支援事業所「ジネス」において、いわゆる「潜在労働者」を対象に「エンカクソーシャル」(※2)が使われていることを知り、働く機会に恵まれなかった方への「就職の準備」にも非常に有効ではないかと感じていました。
「エンカククラウド」とはそのようなご縁がありました。
境様:
障がい者目線で使いやすく、かつ教育までできる。
忙しい人事のかゆいところに手が届くようなこんなサービスは他を探してもありませんでした。
「エンカククラウド」はD&Iが提供するテレワークで働きたい障がいをお持ちの方の採用~戦力化までを一気通貫でサポートするサービスである「エンカク」で使用している雇用管理・育成システムです。
クラウド上にeラーニングコンテンツが多数用意されており、空いた時間や自己啓発として学習ができます。「エンカククラウド」単体でのご利用もいただけます。
「頑張りが可視化されていく」「もっと理解を広げていきたい」
――ありがとうございます。「エンカククラウド」はデモ体験やその後のアフターサポートもおこなっております。実際使い始めてみていかがでしょうか?
加藤様:
まだ使い始めて日が浅いのですが、管理者として見ていると「空いた時間にeラーニングをうまく有効活用しているな」「“ここは切り替えてインプットの時間にしよう”と考えているんだろうな」というのが見えてきました。
まもなく導入のサポート説明会もD&Iに開催していただけるようなので、これからいろいろ聞きながら使ってみたいと思います。
――この後はワークイズ(D&I運営の就労移行支援事業所)より職員を派遣し、「エンカククラウド」のご説明に伺います。ワークイズでもエンカクを使っておりますので、実践の場でどのように活用できるのか具体的な活用シーンをお伝えできればと思っております。
加藤様:
弊社社員も2名が既に使っていますが、映像コンテンツが豊富にあるので、「Excelスキルを伸ばしたい」と思った時にどこから見ていいか分からないという戸惑いはあったようです。本人の目標や会社の育成計画によってメニューが選べれば良さそうですね。
横山様:
音声・動画にくわえて、字幕もあるとより嬉しいですね。
――ご要望ありがとうございます! 開発部門にも伝え、改善を重ねてまいります。それでは今後の障がい者雇用におけるご展望をお聞かせください。
境様:
まずは戦力として力を活躍してもらうためにも、エンカククラウドを使って「Excelがマスターできた」といったような結果が出したいです。
障がいのある社員以外にも展開できる可能性すら感じています。
――「エンカククラウド」には「自分が頑張ったことが見える化されていく、それが働く自信になる」という利点もあるので、そういった観点でもぜひ有効活用していただきたいですね。
境様:
また、障がいのある方との接点づくりはより力をいれていきたいと考えています。
たとえば特別支援学校で人工衛星の工作をしたり、テニス教室を開催したり、
将来ここから島津へ入社したいという方が出てきてくれたら嬉しいです。
加藤様:
私は前職が教員だったこともあり、また現在はラグビー部のスタッフもしているので、タグラグビー教室の展開も企画しています。
境様:
このようにして社内でも障がいの理解を深め、前向きに「障がいのある方と働く、共に生きる」という意識を広げていきたいです。
社員と人事、そして障がい者雇用を広めているD&Iと共にお互い成長ができるよう、これからも積極的に情報交換できたらと思っております。
――ありがとうございます。日々現場の皆様のお声に耳を傾け情報提供やサービスの改善をして参りますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします。